就学指導のしくみ(長谷川桜子)

長谷川桜子

2016年04月24日 12:16

就学時知能検査の説明に入る前に、就学指導のしくみについて説明しましょう。

昭和33年に「学校保健法」が成立し、就学の予定者に対する就学時の健康診断が、全国の市町村の教育委員会においていっせいに行われることになりました。

義務教育への就学にあたって、身体検査をすることは、これまでも多くの小学校で行われていましたが、これはとくに法律上の根拠をもってはいなかったので、これを実施しない市町村も相当ありました(これは制度上ひとつの遺漏だったのです)。

たとえば、盲・聾学校への就学は義務制になっているので、市町村の教育委員会は就学を予定される児童の氏名やその障害の事実を都道府県教育委員会に対して通知する義務を負っていますが、全就学予定者のうちだれだれが該当者であるか、ということは、市町村教育委員会では知る方法がなかったのです。

そこで学校保健法は、義務教育諸学校への就学事務の責任者である市町村の教育委員会に、法にもとつく就学時健康診断実施の任務を負わせ、就学予定者の心身の状況を正確に把握させることにしたのです。

長谷川桜子(地域子育て支援員)

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