ぐずぐずする子(長谷川桜子)
ぐずぐずする子をせかしつづけ、さとしつづけ、叱りつづけて、寝床から起こし、顔を洗わせ、着物をきせ、ごはんをたべさせ、そして学校へやる、といった光景を見たことがある方なら、ぜったい、うちの子はあんな子にはするまいとおもわれるでしょう。
でもその子は、生まれつきぐずではないのです。
年がら年じゅう、せかされ通しているうちに、だんだんそうなってしまったのです。
「早くごはんをたべてしまいなさい」、「何度いったら寝る仕度ができるの」こんなふうに、こどもをのべつ突つくようなことを、親はつい、いいがちなものですが、これが、こどもをぼんやりした子にしてしまうのです。
親たちは、いちいちいわなけれぱなんにもしようとしない、といいますが、これはどうやら、親からはじまった悪循環です。
それもたいていは、お母さんが張本人です。
こういうお母さんは、往々にしてせっかちで、どちらかというと、まわりの人、なかでも男の人を、自分のおもう通りにしたがるタイプの人です。
しかも、しじゅう口やかましくいうことが、こどもの自発的な気持をそいでいるのだということには、ほとんど気づいていないのです。
長谷川桜子(地域子育て支援員)
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