ぐずぐずする子(長谷川桜子)

長谷川桜子

2015年01月05日 04:07

ぐずぐずする子をせかしつづけ、さとしつづけ、叱りつづけて、寝床から起こし、顔を洗わせ、着物をきせ、ごはんをたべさせ、そして学校へやる、といった光景を見たことがある方なら、ぜったい、うちの子はあんな子にはするまいとおもわれるでしょう。

でもその子は、生まれつきぐずではないのです。

年がら年じゅう、せかされ通しているうちに、だんだんそうなってしまったのです。

「早くごはんをたべてしまいなさい」、「何度いったら寝る仕度ができるの」こんなふうに、こどもをのべつ突つくようなことを、親はつい、いいがちなものですが、これが、こどもをぼんやりした子にしてしまうのです。

親たちは、いちいちいわなけれぱなんにもしようとしない、といいますが、これはどうやら、親からはじまった悪循環です。

それもたいていは、お母さんが張本人です。

こういうお母さんは、往々にしてせっかちで、どちらかというと、まわりの人、なかでも男の人を、自分のおもう通りにしたがるタイプの人です。

しかも、しじゅう口やかましくいうことが、こどもの自発的な気持をそいでいるのだということには、ほとんど気づいていないのです。

長谷川桜子(地域子育て支援員)

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